館長通信 4年間ありがとうございました。
何かあったの? と心配してくださる方、ご安心ください。「次の担い手にバトンを渡すのも大事な仕事」と、指定管理者として女性会館を運営する「NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか」代表理事で前館長の松下光惠さんと相談し、65歳を区切りにしようと決めていたからです。
職員の井藤とともに地域版女性限定ロールモデル事業「J0-Shizu(じょしず=静岡の女性)メンターバンク」のスタートに立ち会えたことは幸運でした。職場や地域で力を発揮している女性にメンターとなってもらい、個人を特定する表現は避けてデータベース化したもので、キーワード検索でき、希望すれば面談ができる仕組みです。
「身近な人生の先輩に出会える」をキャッチフレーズに、運用開始から3年を経てメンター登録者は130人を超えました。面談はもちろん、仕事と家庭の両立、育休復帰後のキャリアプラン、管理職への道筋などテーマに合ったメンター2、3人をゲストに迎え、参加者とともに進めるメンターカフェも好評です。
一方、女性活躍の掛け声の下、各所で類似のイベントが開かれるようになり、中には未来志向とはほど遠い残念な着地点になってしまうケースも見受けます。昔ながらの「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担意識や長時間労働を問い直す視点(男女共同参画の視点)、時間や体力などさまざまな制約のある人と共に働く視点(多様性配慮の視点)が、肝なのだと思います。
防災・減災の分野でも同じことが指摘され、静岡大学の池田恵子教授の助言を受けながら、利用者団体や地域との緩やかな関係構築に取り組んできました。4月からは副館長の谷口年江が館長に、主任の萩原美栄子、井藤喜美江が副館長となって進めて参ります。私もNPOのメンバーとして微力ながら活動を続けます。今後ともどうぞご支援、ご協力をよろしくお願いします。
「80代の暮らしを豊かに」の講座で進行を務める筆者