新年度がはじまりました
新年度が始まりました。市役所の組織改正があり、女性会館の所管課は「男女参画・市民協働推進課」から「男女参画・多文化共生課」に変わり、新課長に伏見和芳さんが就任されました。年度初めの挨拶に伺った際、開口一番「25年ぶりですよ」。懐かしい顔に、時計の針が逆回転、しばしタイムスリップしました。
1980年代後半から90年代にかけて、国連女性差別撤廃条約の批准(85年)を受け、国の行動計画の下、全国の自治体で行動計画や条約、女性関連施設が続々とつくられました。静岡市でも91年に「女性行動計画・フレッシュプランしずおか」策定、翌92年6月に女性会館・アイセル21が開館しました。女性行政が勢いを持って進められた時代です。
伏見さんはこの時期、開館直前まで、女性会館開設に尽力した市職員の近藤美津江さん(故人)、葵区長を務め現在は市教育委員長の高野康代さんという二人のトップランナーの下で働いたそうです。「二人とも夜遅くまで頑張っていらっしゃいました」と伏見さん。当時、女性の地方紙記者は少なかったことから、私も策定委員の1人として熱のある時間を共有させてもらいました。委員は性別、年齢も職業もさまざまでしたが、学生に戻ったかのように毎回、白熱した議論になったことを懐かしく思い出します。
今、「女性の活躍推進」が成長戦略の柱とされ、「輝く女性応援」といったフレーズが華やかに舞っています。しかし、賃金格差、低い管理職比率、結婚・子育てによる離職など、根本的な課題の改善はなかなか進みません。女性の活躍推進は、少子高齢化対策の前に、女性差別撤廃、ジェンダー平等を原点に考えたいと思ったひと時でした。