育児休業から職場復帰した記者たちが力を合わせて企画、取材し、デザイン、レイアウト等、紙面づくりも女性編集者が担当する―概要は後輩から聞いていました。が、想像以上に大胆なモデルチェンジに驚きました。
私が注目しているのは当事者の視点の反映です。たとえば24日夕刊1面の、病児保育の利用に地域差があると指摘した記事。これに関連して、4ページ右下の記者コラムに、子どもの発熱で仕事を休んだ際の複雑な思いが綴られていました。その気持ち、よく分かる。
30年前、延長保育の実施に関して起きた議論を思い出します。反対意見は、「(延長保育があることで)働く母親が残業を強いられる」「子どもにとって長時間保育はよくない」など。同感しつつも、子どもの迎えに間に合わず、義母や友人に「助けて」コールをしていた自分には、延長保育は必要な支援でした。
重要な仕事を抱えているときに限って、子どもは熱を出します。気兼ねなく仕事を休めるのが理想ですが、「病気の子どもを置いてまで仕事へ行くのか」という思いと、社会的な責任との間で母親は揺れます。きっと家族を介護する男性も同じかもしれません。この吹っ切れない感情、多くの人と共有できるといいのですが…。
