U-18の部最優秀賞1句と一般の部最優秀賞1句と優秀賞3句が皆さんの投票で決まりました。
作品をご応募くださった皆さん、投票してくださった皆さん、ありがとうございました。
審査委員長である露の団姫さんよりコメントもいただきましたので併せてご覧ください。
最優秀賞
【一般の部】
「女なら」 その「ならづけ」は 期限切れ(お餅)
(審査委員長 露の団姫さんコメント)
「女なら」「母親なら」「長男の嫁なら」…と、この「ならづけ」、言い放つ側にとっては、なんと便利で都合の良い言葉でしょうか。
「〇〇なら」や「〇〇らしく」は「ジェンダー(社会的・文化的な性差。女はこうあるべき、男はこうあるべきといった、いわゆる、女らしさや男らしさ)」に基づく「押しつけ」に他なりません。消費期限切れの思考で時代に取り残されないよう、考え方のアップデートが必要です☆
【U-18の部】
いつまでも 日本のトップは 男だけ? (ルイージ)
(審査委員長 露の団姫さんコメント)
先日、とある女子大の授業で「生まれ変わって性別が選べるのなら、男性になりたい」という学生がいました。そのとき、教室にいた多くの学生が「私も」と賛同しました。聞けば、性自認や生理などの身体的な理由ではなく、「男尊女卑の世の中だから」といいます。
今回の投句者も十代の方ですが、若者たちは、日本社会は女性が活躍しにくい社会であること、そして、女性であることによって自分の能力が発揮しにくい社会であることに気づいています。
投句者のルイージさんに大切にしていただきたいのは、句の最後に付けられた「クエスチョンマーク」です。感じた疑問は打ち消さず、そして諦めず追及し続けること―それが、世の中を変える力になります。
トップが棒読みで「女性活躍」を唱える情けない時代に、ひとりひとりのクエスチョンマークでピリオドを打ちましょう!
優秀賞
【一般の部】
選びたい 自分自身の 性と姓(ほり・たく)
(審査委員長 露の団姫さんコメント)
近年、LGBTに対する関心が高まった反面、SNS上では過激な差別やデマ、そして、強いバックラッシュ(平等の推進や地位向上に対して反発する動き)が起こっています。
いまだに法整備の進まない「選択的夫婦別姓」もそうですが、「性」や「姓」の選択を望む人たちは自分らしく生きたいだけであって、それらが選択できるようになっても、決して社会を崩壊させるわけではありません。すべての人が自分らしい生き方を選択し、正々堂々…ならぬ、「性姓堂々」と生きられる社会になりますように!
「嫁に行く」 いいえ夫婦に なっただけ(くろにゃん)
(審査委員長 露の団姫さんコメント)
令和の時代、「嫁に行く」という言葉は、もはや「死語」といえるでしょう。また、女性側の姓になった男性に対し「婿をもらう」という表現がありますが、これも時代錯誤です。いずれも、「相手側の姓になる」=「相手の家に入る」という古い考え方によるものですが、この考え方には「姓」が夫婦やそれぞれの家との見えない力関係を生み出しているという背景があります。
なにより、「嫁」とは「自分の息子の妻」を表す言葉なので、自分の配偶者は「妻」や「夫」または「パートナー」と呼ぶのがふさわしいでしょう。夫婦は対等な関係で、「行く」も「もらう」もありません。
家事育児 得意不得意 性差なし(イワンモ)
(審査委員長 露の団姫さんコメント)
そもそも、家事は生活の一部であり、育児は親としての義務ですから、「不得意だ」と言い訳を考えるよりも先に、自立した大人として、親として、主体性をもってやるものです。
また、家事能力に性差はありませんし、育児も、妊娠、出産、授乳以外は性別に関係なく誰でもできます。
そして、大人たちが性別に関係なく家事育児に取り組む姿は、家庭でできるジェンダー平等教育になります。ジェンダー平等教育は、性別にとらわれず、自分の可能性にチャレンジできる、素敵な子どもの未来を育ててくれますよ☆
たくさんのご応募ありがとうございました!
入選作品一覧はこちらからご覧ください。
ジェンダー川柳2023(入賞作品)