事務室に、明日の衆院選の投票を呼びかける小さなチラシが届いていました。低投票率を嘆く高校生の投書や、若者の投票率低下によって若者がこうむる損失について紹介されていて、身につまされる内容です。

ふと思い出したことがあります。ずっと昔、駆け出しの記者だったころ、女性の社会進出を訴える講演会を取材しました。国の機関から招かれた講師に、男女平等の制度が整っていない不満をぶつけると、「女性が参政権を持ってわずか30年ですよ」と答えが返ってきました。意外な返答で、その言葉だけが残っています。制度改革には時間がかかる、長い目で見よう、と諭す一方に、参政権獲得には長く苦しい女性たちの闘いがあったのだという先輩としての思いがあったのかもしれません。

あれから40年近く。せっかくの権利を棄権してしまっては二重の無駄になってしまいます。若い世代の未来に想像を寄せて、投票所に足をお運びください。