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父の逸脱(チチ ノ イツダツ)

書名 父の逸脱(チチ ノ イツダツ)
副書名 ピアノレッスンという拷問(ピアノ レッスン ト イウ ゴウモン)
種別 図書
編著者 セリーヌ ラファエル∥著(ラファエル セリーヌ)
出版社 新泉社
出版年 2017.9
出版地 東京
大きさ 20cm
ページ数 273p
ISBN 4-7877-1709-2
分類 367.635

虐待とは、大人の価値観を押し付け子どもを思い通りに管理、支配し子どもを貶め、主体性を奪い去る行為で、見逃され命を落とす子どももいる。本書を読んでいる間も、「生き延びることだけを考えた」著者セリーヌのように、音楽やスポーツ、学問などで虐待を受けている子どもがいるのではないか?と頭によぎった。

ある日、4歳の娘に類まれなピアノの才能があることを知った父親。その後、「逸脱」が始まる。部屋に鍵をかけての長時間の練習。弾き間違えると尻をベルトで打たれ、食事も抜かれたり「犬以下」の物を与えられたりした。4歳から14歳までの間、彼女が「私はピアノを弾く家畜」「拷問」「週末に死ぬのでは」と表現するほどの虐待は続くが、父親が一流企業の幹部で裕福な暮らしぶりのため、周囲は虐待を疑わなかった。ピアノのある密室で行われたため、母親さえ途中まで気づかなかった。

食事を極端に減らしやせ細ることで、父の態度を変えさせようとしたが、父をはじめ誰も関心を示さない。そんな絶望的な状況の中、転居先で進学した高校の校長が異常を察知、学校の保健師の先生との出会いが彼女を救った。保健師は、父親を訴えることに躊躇するセリーヌを根気よく説得、自ら虐待の通告を承認するのを待って実行した。しかしこれで問題が解決したわけではない。身の安全のために隔離された施設は数か所にのぼり、一部の施設の職員や社会福祉士、指導員たちからは、虚言症だと言われ、勉強を続ける環境も整備されていなかった。判決後家に戻った後も、父の精神的虐待は続いたが、医者になるという夢をかなえるために強い意志で立ち向かい、ついに実現した。現在は医師として活躍する傍ら、体験を語り、政府の虐待防止計画にもかかわっている。

本著を通じて、子どもの発する訴えをキャッチする困難さや、支援者の在り方を考えさせられた。裕福な家庭や立派(に見える)両親のもとでは、

虐待など存在しないという先入観が、どんなに子どもを絶望させ、将来を奪うのか、支援する側の先入観や価値観で、子どもたちが傷つき運命が変わっていく事実、また、たった一人の理解者が子どもの命を救うということもが分かった。

フランスで大反響となり、映画化もされるというこの現実が、

世界中で議論され、虐待の撲滅につながればよいと思う。

(狩野直子)

 

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