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死ぬ気まんまん

書名 死ぬ気まんまん

佐野洋子さんが亡くなって間もなく1年になる。
絵本『百万回生きたねこ』の作者であることはよく知っていた。手づくりの地域誌をつくる読書好きな仲間たちが「佐野洋子のエッセイっておもしろいねえ」と口をそろえて言うので、『シズコさん』を初めて読んだのが、2、3年前のことだった。以来、すっかりハマッてしまった。佐野さんは中学時代を静岡で過ごし、高校は清水だったと知って、より身近に感じた。
著書の中でご自身の病気にしばしばふれている。『役に立たない日々』で、再発の告知を受けて、その足でジャガーを買いに行った話を読んだときは、その痛快さ、かっこ良さに大笑いしてしまった。訃報を聞いて驚きはしなかったけれど、歯に衣着せぬユーモラスな毒舌を、もう、読めないのかとさびしかった。
しかし、世の中に佐野洋子ファンは多いとみえて、死後も新しい本の出版が続く。誰に対してもまっすぐで辛辣。エッセイの中で、散々に書かれたご親族や友人の胸中はいかばかりかと思ったが、元夫の谷川俊太郎さんが追悼総特集のムック本で佐野さんの連れ子だった息子さんと対談して、2人で佐野さんを偲んでいる。きっと、近過ぎると大変だが憎めない人だったのだろう。
この本のタイトルは、息子さんが「お袋は死ぬ気まんまんだった」と付けたそうだ。死という重いテーマを、笑いのうちに深く考えさせてくれる一冊だ。   (松下光恵)

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