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かたづの!(カタズノ)

書名 かたづの!(カタズノ)
種別 図書
編著者 中島 京子∥著(ナカジマ キョウコ)
出版社 集英社
出版年 2014.8
出版地 東京
大きさ 20cm
ページ数 383p
ISBN 4-08-771570-5
分類 913.6

本書は、江戸初期の東北に実在した女性大名を題材に、彼女の波乱万丈な生涯を、伝承や伝説とともに描いた歴史ファンタジーです。
八戸南部氏20代当主の妻であった祢々は、南部宗家の叔父の謀略で夫と跡継ぎの息子を失い、お家断絶の危機を乗り切るため、自ら家督継ぐことを決意します。八戸がほしい宗家からの再婚の強要は、出家剃髪し清心尼となって抵抗します。その後も、数々の難題に対し、決して諦めず機転をきかせ理性的に立ち向かっていきますが、ついに、無体な国替えを命じられます。
「決して戦いをしない、命が優先」という信念を貫き、八戸のため討ち死にを覚悟し武力で立ち向かおうとする家臣をなだめ、領民と家臣の命を守るため未開の地、遠野に移る決断をした清心尼。本当に心を割って愚痴を言えるのは、少女のころ出会い友情を育んだ一本角のカモシカが遺した角である「片角」だけでした。
この時代、戦をせず、領地を守ることがどれだけ大変か。「ねえ片角、おまえなら…」「だって片角…」事あるごとに話しかける姿から、大切な決断を迫られる女性の領主の苦悩や孤独が伝わってきました。女性の社会進出が叫ばれている今、経営者や管理職などリーダー的立場の女性たちにも、困難にぶつかった時や決断を迫られる時、相談相手や理解者が絶対必要なのでは、と感じました。
清心尼や八戸の人々が直面した覇権争いや領土問題、移民問題などは、戦争や紛争が収まることのない現代社会に通ずるところがあります。清心尼のような「いかに争わず血を流さないで解決するか」の信念と決断力を持ったリーダーが現われ解決してほしいと思います。
(狩野直子)

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